約 4,391,712 件
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/27.html
時空の海に浮かぶ 広大な次元世界 Majical girl Lyrical NANOHA 4th Series そこではかつて―― 世界を駆け巡る大規模な戦乱の時代があった ひとときの平和が築かれた現代においても 時に争いは巻き起こる 新暦0075年・JS事件 天才開発者ジェイル・スカリエッティによる大規模テロ 新暦0078年・マリアージュ事件 複数世界における連続放火殺人 ティアナ「厄介な事件ですが…フェイトさんと一緒に捜査できるのは嬉しいです」 フェイト「こちらこそ」「ティアナ執務官と一緒なら心強いよ」 ヴィータ「再会っつっても同窓会気分ってわけにはいかねーな」「今度もまた荒事(ライオット)だ」 リインII「ですね」 シグナム「フッケバインの連中は必ず捕まえる」「力を借りるぞ アギト」 アギト「おうよ!」 なのは「じゃ ごめんねーヴィヴィオ」「ママ ちょっと出張に行ってきます」 ヴィヴィオ「うん(ハート)」「いってらっしゃいママ がんばってきて」 スバル「思い出は大事だよ」「でも思い出だけじゃ生きていけないから」 「もっと自分を好きになれるように頑張らなきゃってさ」 ???「銀十字の禁書」ベルカ戦乱時代の消せない歴史の一つ」 始まりは禁忌の書と アイシス「わお!きれーなリング!」 誓約の輪(エンゲージリング) 少年トーマと少女リリィの巡り合い ディバイダー966「E.C.Divider Start up」 Record beginning ???「一緒だよ ずっとずーっと」 To be continued Record01 「Engage」
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/17.html
出会いが絆が紡ぐ新たな物語―― ”リリカルなのは“シリーズ新章LIFT OFF! 人と魔導との出会いは果たして幸福であったか否か かつて世界に争いを起こしたのが巨大な魔導の力ならば 争いを止めたのも また同じ魔導の力だった 世界はいま片時の平和の中のにあり 答えは今だ出ていない シスター「はい…ミッドチルダ宛ての電信絵葉書の送信ね」 トーマ「うぃっス」 シスター「旅行中?」 トーマ「はい」 シスター「いいわね、今日はどこまで?」 トーマ「この先の鉱山遺跡で宝探しと」 Record01 「Engage(エンゲージ)」 トーマ【前略、スゥちゃんお元気ですか?俺は一昨日からルヴェラの文化保護区に入りました。 ワガママ言って許して貰ったひとり旅も残りあと3か月。 保護区内は次元間通信が不安定なのであんまり連絡できませんが】 トーマ「なースティード、到着は夜になるかな」 スティード「そうですねトーマ、食糧の準備は充分で?」 トーマ「もちろん」 トーマ【俺は元気でやってます(スティードに教わって勉強もちゃんとやってます) 約束通り旅行の間に世界を見て回って自分の答えを見つけます】 トーマ「おー!やっと見えた!」 スティード「お目当てのルヴェラ鉱山遺跡ですね」 トーマ「うん」 スティード「ですがもう夜です。野営できる場所を探しましょう」 トーマ「だな」「先客かな、今明かりが見えたような」 スティード「こんな辺鄙な場所に?」 女研究者「機材とデータの搬出は終了です。後はマテリアルですが」 男研究者「廃棄処分だ、ここに捨てていく」 女研究者「献体はともかくシュトロゼックもですか?」 男研究者「できそこない一基にいつまでも関わっておれんよ。向こうで銀十字(こいつ)の保有者を書き換えれば済む」 スティード「引っ越しにしては物騒ですね」 トーマ「関わり合って得はねーな。このままこっそり…」 リリィ『痛イよ。苦シいヨ』 トーマ「あ、つっ!!」 スティード「トーマ!?」 トーマ「いて、いてて…っ。この声念話…!?」 スティード「!?私には何も」 トーマ「あの奥…助けてって言ってる!」 スティード「トーマ、あなたまさか」 トーマ「助けてって言ってる」 スティード「――ですよね。ただ、あなたがケガをすると私も彼女に怒られますので」 トーマ「オーライ相棒(バディ)うまくやるさ」 トーマ「うお…ッ!ここ研究施設…?」 スティード「それもだいぶヤバイ方向の」 リリィ『痛い、よ』 トーマ「痛いのすぐに止めてあげるから」「――解け」「!?あッ!づ…っっ!」 男研究者「侵入者!?」 女研究者「何者かがシュトロゼック-4thに接触!それにこれはリアクトの反応!?」 リリィ『だめ、痛いよ、怖いよ、寂しいよ、来ちゃだめ』 トーマ「大丈夫…泣かないで。俺がいますぐ助けるから」「!!」 「てて…っ、大丈夫ッ!? !!!全裸!?き…!着るもの!スティードなんか服っ!!」 スティード「それらしきものならここに」 男研究者「失態だ。安置室を熱焼却処分!シュトロゼックと侵入者ごとだ!!」 機械音声「警告、警告。感染災害の危険発生。これより熱焼却処理を行ないます。 トーマ「しょ、焼却ッ!?」 スティード「困りましたね、暑いのは苦手です」 機械音声「近隣ブロックの職員は至急避難を」 トーマ「手伝えスティード!」 スティード「オーライトーマ」 機械音声「カウント6」 スティード「Protection」 トーマ「あの、いきなり飛びこんできてこんなことになっちゃって本当にゴメン」 機械音声「5」 トーマ「でも大丈夫。きっと助けるから」 機械音声「4」「3」「2」「1」 リリィ『誓約(エンゲージ)』 機械音声「0」 男研究者「やったか!?」 機械音声「プラズマアーク正常作動!」 男研究者「いかなる防御をしようと人間が生存することなど――生きている。 あれが完成したのなら!金属が沸騰する温度の中でも活動しうるッ!!そういうものを! 我々は!造り出そうとしていた!!」 ディバイダー966「E-C DividerCode-966」「StartUp」 トーマ「――ディバイド、ゼロ」ドゴッ ズドン スティード「トーマ、トーマ!」 トーマ「んあ、え、あれッ!?」 スティード「大丈夫ですかトーマ。それになんですか?そのイカした格好は?」 トーマ「うおお!なんじゃこりゃあ―!!」「あ」「おお!」「――あれ、なんだこの腕輪」 「ああごめん。大丈夫?」「俺、トーマ・アヴェニール。名前聞いても?} リリィ「リリィ、です。リリィ・シュトロゼック」 トーマ「リリィ。いいね、かわいい名前だ」「と、とりあえず安全な場所まで出よう!スティード周辺チェック!」 スティード「オーライ、トーマ」 同時刻 第12管理世界フェディキアStワレリー港 シャーリー「お疲れ様です。フェイトさん、ティアナ執務官。押収物には該当しそうな品ありませんでした」 フェイト「そう、銀十字もディバイダーもここじゃなかったか」 ティアナ「「エクリプス」の感染者を出すわけにはいきません」 フェイト「うん。もしも感染者が出たのなら、なんとしても捕獲しないと」 To be conntinued Record02 「Lily-Strosek(リリィ・シュトロゼック)」
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/442.html
リリカルなのはGX 第??話「最強の魔法使いデッキ」 「俺のターンドロー!」 遊城十代は、左腕に付けたデュエルディスクからカードを引いた。 デュエルの相手は、コスプレなのだろうか白いショートコートにミニスカートな格好の女性だ。 「俺は、E-HEROスパークマンを召喚!カードを一枚伏せターンエンド」 十代のターンが終了し、白服の女性のターンが来る。 「私のターン…ドローなの!私は、ティアナ・ランスターを攻撃表示で召喚!」 現れたのは、二丁拳銃を持ったツインテールの女性だった。 「ティアナ・ランスター攻撃力1650・防御力1200のモンスターか」 「私は、カードを一枚伏せティアナで攻撃!」 『クロスファイヤーシュート!』 白い服を着た女性なのはの攻撃宣言により攻撃を開始するティアナ。 「そうは行くか!トラップカードオープン!」 十代が伏せていたカードは、トラップカード・ヒーローバリアだった。 「ヒーローバリアの効果で、E-HEROへの攻撃を無力化する!」 「私のターンは終了よ」 「そんじゃ、俺のターン…ドロー!俺は、手札のE-HEROクレイマンと場のスパークマンを融合! 現れろ、E-HEROサンダー・ジャイアント!」 十代の持つ融合のカードで現れたのは、雷をまとった巨大なヒーローだった。 「サンダー・ジャイアントの特殊効果発動!ヴェイパー・スパーク!」 その効果で場にいるティアナは、激しい雷に撃たれ破壊される。 「キャァー!」 「ティアナ!」 ティアナが破壊され、少し表情が曇るなのは。 「ザンダー・ジャイアントの攻撃は終わってないぜ!行けぇぇぇ!ボルティック・サンダー!!」 攻撃力2400のダイレクトアタックが決まり、なのはのLPが1600まで削られてしまう。 「くっ、罠カードオープン、魂の綱!1000ライフポイントを払うことでデッキから☆4以下のモンスターを特殊召喚!」 現れたのは、守備表示のフェレットだった。 「(ん?トラップのタイミングミスか。サンダー・ジャイアントの攻撃時に召喚すればダメージを受けずに済んだのに)」 十代が、そんなことを考えているとデュエル相手の女性が話しかけてくる。 「十代くん、バトルフェイズが終わったけどターン終了はまだかな?」 「あ、えーと、カードを1枚伏せターン終了だ」 十代がターン終了を宣言したのを聞いたなのはは、カードをドローする。 「私は、ユーノくんの効果でライフを500回復」 なのはが表側守備表示で出していたユーノくん攻撃力500守備力2050は、 スタンバイフェイズに一度ライフを500回復させる効果がある。 「そして、ユーノくんを生贄にフェイトちゃんを召喚!」 生贄召喚されたのは、☆6つの上級モンスターフェイト・T・ハラオウンと言う女の子だ。 攻撃力2500守備力1500の魔法使い族だ。 「すげぇぇぇ!そんなカードがあるなんて、翔が見たら喜びそうだなぁ」 「そして、装備カード・使い魔の援護を発動!この効果で攻守700ポイントアップ!」 攻撃力3200と成ったフェイトには、更なる効果があった。 「フェイトちゃんで、サンダー・ジャイアントを攻撃!」 「バルディッシュ!」 『Haken Saber』 金色の刃が黒い斧杖から発射され、サンダー・ジャイアントを切り裂き破壊する。 「ぐっ」 十代のライフは800削られLP3200となった。 伏せカードを使おうと考えた十代だったが、サンダー・ジャイアントの破壊前に使えなかったのだ。 「何故、伏せカードが使えないんだ?」 「フェイトちゃんの効果なの。一ターンに一度相手の場の伏せカードを1枚封じるの」 「すげぇ効果」 「そして、カードを1枚伏せターン終了なの!」 なのはの出した少女にサンダー・ジャイアント破壊されながらも、楽しくて仕方がない十代。 「ドロー!俺は、フレンドッグを守備表示で召喚!そして、カードを1枚伏せターン終了」 十代は犬型機械族モンスターを召喚し、伏せカード2枚目をセットしターンを終了した。 「私のターン、ドローなの!」 彼女は引いたカードをほほ笑む。 「私は、儀式カード・白き戦神を発動なの!☆8以上のモンスターを生贄に…出でよ!高町なのは!!」 手札のクロノ・ハラオウン☆8を儀式のコストとし、☆8の儀式モンスター・高町なのはを召喚したのだ。 その攻撃力は3200、守備力は2800と凄まじい。 「さぁ、私の攻撃!フェイトちゃんでフレンドッグを攻撃!ハーケン・セイバー」 金色の刃によって切断されるフレンドッグ。 「フレンドッグの効果発動!墓地に送られた時、墓地のE-HERO1体と融合を手札に加える」 「まだ、私のバトルは終わってないの!ディバイーン・バスター!!」 『Extension』 凄まじいピンク色の光が十代を襲う。 「伏せカードオープン!」 「フェイトちゃんの効果で1枚封じるよ!…そのカードを封じるわ」 「ラッキー!俺が発動するのはこっちだ!」 なのはが封じたのは融合解除だったのだ。 十代が発動させたのは、もう一つの方だった。 「ヒーロー・シグナルで、デッキからE-HEROを特殊召喚する!現れろ、バースト・レディ!」 炎のヒーローE-HEROバースト・レディが守備表示で召喚された。 なのはの攻撃は、バースト・レディを粉砕する。 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1068.html
「じゃ~ん!」 もったいぶった動作でアリサが披露したのは、ゼネラルモーターズ社製の車、シボレーカマロの最新型モデル。 ブライトイエローに黒のレーシングストライプの真新しい塗装が、夏の陽射しを反射してきらきらと輝いている。 「アリサちゃん、車買ったの!?」 なのはは驚きの声をあげ、ヴィヴィオも興味津々で車を見つめる。 「ふふ~ん、驚いた?」 なのはの反応に、アリサは満足そうに笑みを浮かべて腕を組む。 「うん、前に会った時免許を取ったのは知ってたけど、その時はお父さんの車だったんだよね」 アリサは、なのはの言葉に頷きながら、しみじみと語る。 「誕生日の時に、一学期の学科でオールAの成績を取れれば、車を買ってやるって父さんが言ったの。それを 聞いてもう必死で勉強したのよ」 続けて、すずかが当時のアリサの猛勉強ぶりを、 「その時のアリサちゃん、本当に凄かった。分からない所があったら、どんな些細な部分でも先生に色々と 聞いたり、ノートを書き切れなかったら私や他の友達から借りて、内容が一致しているかどうかも徹底的に確認 取ったりして。だから、私も一緒に色々手伝ったの」 アリサはすずかの方を振り向いて、彼女に笑いかけながらその後を続ける。 「すずかには色々と助けられたわね。テスト前の勉強を夜遅くまで付き合ってくれたり、レポート作成の時には 色々とアドバイスをくれたり…」 「でも、前日の深夜にいきなり電話してきて“もうダメ!”って叫んだ時は、流石に参ったけどね」 次の瞬間、アリサの顔がこれ以上ない程赤く染まり、すずかの肩をポカポカと両手で叩く。 「しょ…しょうがないじゃない! 出題範囲内の問題で分からないのが多過ぎて、どうなるか分からなかったんだから!!」 「ごめん、ごめん! だってその時のアリサちゃん、とっても面白かったんだもん!!」 「もう、すずかっ!!」 すずかは、笑いながらアリサの攻撃から逃げ、アリサは頬を赤く染めながら追いかける。 そんな二人の様子に、なのはに抱かれたヴィヴィオが笑い出す。 「面白いね、ヴィヴィオ」 なのはが微笑みながら言うと、ヴィヴィオも笑いながら頷く。 「うん、ママ」 なのはとヴィヴィオが、笑いながら様子を見ているのに気付いて我に返ったアリサは、相変わらず赤い顔のまま、 両手を拍手するように叩きつつカマロのところへ戻って来る。 「はいはい、悪ふざけはここまで! そろそろ街へ行くわよ!!」 澄ました表情と冷静な口調を装っているが、真っ赤な顔は取り繕いようがない。 アリサのその様子に、なのは・ヴィヴィオとすずかの三人は、互いに顔を見合わせて笑う。 「もう! 置いてくわよ!!」 アリサがドアを開けながら不貞腐れたように怒鳴ると、三人は笑顔のまま「はぁーい」と答えた。 海鳴市の目抜き通りを、カマロは軽快に走り抜けていた。 ヴィヴィオは、眼前を流れる街並みや人、追い抜いたり抜かれたりする車やバイクを夢中になって見つめている。 「速いね、ヴィヴィオ」 なのはが言うと、ヴィヴィオは窓に手を当てて外を見つめながら答えた。 「うん、ママ。すごく速いね」 「ふふ…ヴィヴィオちゃん、すっかり夢中になってるね」 なのはとヴィヴィオのやり取りを、すずかは微笑みながら見つめている。 赤信号で停車したとき、アリサが言う。 「ラジオでも入れる?」 なのはとすずかが頷くと、アリサはカーラジオのスイッチを入れる。と、いきなりDisturbebの「This moment」が超重低音で車内に響き渡った。 「ちょ、ちょっと! 何これ!?」 アリサは慌ててチューニングダイヤルを回し、NHKのクラシック音楽に切り替える。 「い、今のは一体…?」 アリサはチューニングダイヤルから手を離して呟き、驚きの余りすずかは目を白黒させている。 「ふえ…」 突然の大音響にびっくりしたヴィヴィオが、涙目でなのはを見つめる。 「びっくりしちゃった?」 なのはは慌ててヴィヴィオを抱きしめると、あやしながらアリサに尋ねた。 「アリサちゃん、最近音楽の趣味変わった?」 なのはの問いかけに、左手をハンドルから離し、首と一緒に横に振りながら否定した。 「そんな訳ないじゃない。あんなハードロック、聞くだけで頭が痛くなるわ」 信号が青に変わり、前方で停まっていた車が次々と発進する。 アリサも、アクセルペダルを踏んで車を発車させると、ハンドルを握って前を見ながら話を続ける。 「多分、ラジオを切る時にチャンネル回っちゃったんだと思う」 「そうだね」 落ち着きを取り戻し、再び外に顔を向けたヴィヴィオの頭を撫でながら、なのはは答えた。 黄昏時、夏の陽が水平線に沈み、空が美しい茜色に染まる頃、カマロは海鳴市商店街の有料駐車場に入った。 なのは達四人は車から降りると、買い物客で賑わう商店街を少し歩いて「翠屋」という看板の掲げられた、 喫茶店兼洋菓子店へと向かう。 チャイムつきのドアを開けて中に入ると、店内は観光客や買い物帰りの主婦・カップル等で大変な賑わいを見せていた。 「うわぁ、すご~い」 「はぁ…相変わらず大盛況ねぇ」 店内の様子にヴィヴィオは目を丸くし、アリサは溜息と共に呟く。 「以前より、人が増えてる気がするんだけど…」 なのはが店内を見回しながら言うと、その疑問に対してすずかが答えた。 「最近“ぴあ”で紹介されたんで、県外からのお客さんが増えたんだって」 「へぇ、凄いね」 なのは達が話し合ってると、MLBの半袖Tシャツとストレートジーンズを着てスポーツシューズを履き、翠屋のエプロンを付けた男性店員が、少々ぎこちない営業スマイルでやって来た。 「いらっしゃ…おお、なのはか」 なのはの兄、高町恭也が心からの笑顔で話しかけると、なのはも笑顔を返す。 「あ、お兄ちゃん久しぶり。ドイツから帰ってたんだ」 「ああ、1週間程休みをもらってな」 「今日はお店のお手伝い?」 なのはの問いに、恭也は店内を見回しながら答える。 「そうだ。雑誌に紹介されてからお客さんが大変増えたから、帰国した時は、出来るだけ手伝うようにしてるんだ」 「うん、すずかちゃんから聞いた。お父さんたちも大変だね」 「でも、来てくれたお客さんの多くが、リピーターとなってくれてるから有難いよ」 恭也はそう言って微笑むと、カウンターの方に振り向いて大きな声で言った。 「悪い、ちょっと席を外すよ」 カウンターからは、「速く戻って来いよ」と、男の声が返ってきた。 「ここじゃ何だし、ちょっと外へ出よう」 そう言って恭也となのは達は、店外に出る。 「恭也お兄ちゃん、今晩は」 ヴィヴィオが挨拶すると、恭也は笑ってヴィヴィオの前に座る。 「今晩は。ヴィヴィオはいい子にしてるかい?」 「うん」 ヴィヴィオが返事すると、恭也は優しく頭を撫でる。ヴィヴィオが笑顔で恭也に抱きつくと、恭也も笑って抱きしめた。 なのはも恭也の横に座って、その様子を見つめる。 「お兄ちゃん、ずいぶん表情が柔らかくなったね」 「そうか?」 「うん、私が子供の頃は結構怖い感じだったけど、いい笑顔をするようになったと思うよ」 なのはへ飛びつくヴィヴィオの背中を軽く押してあげながら、恭也は答えた。 「そうか、自分じゃあまり解らないけど、なのはが言うから間違いないな」 「恭也さん、凄く素敵になったと思います」 「そうだよね~、忍さんと結婚したからかな?」 すずかとアリサが、笑いながらからかう様に言うと、恭也の顔が赤くなった。 「お・おい」 狼狽した恭也がアリサたちの方を振り向いたとき、二人組の女性が、こちらへと歩きながらなのはへと声をかけてきた。 「なのはさーん」 やって来たのは、マジョリカブルーのスラッシュネックTシャツに青のバギージーンズという服装が、紫色のショートカットな髪型と相俟ってボーイッシュな雰囲気を漂わせる女性。 「スバルと…ティアナ?」 「えへへ…お久しぶりです」 紫髪の女性は、にこやかに頭を下げる。 「ご無沙汰しております」 オレンジ髪の女性は、緊張気味に敬礼を返した。 「ティアナ、別に部隊に居る訳じゃないんだから、そんなに畏まる必要はないよ」 「あ、はい。どうも」 なのはに指摘されたティアナという名の女性は、顔を赤くしながら頭を下げる。 「なのは、その人たちは?」 恭也が尋ねると、なのはは笑顔で。 「紹介するね。二人とも機動六課時代、私の教え子だったの」 「スバル・ナカジマです」 紫髪の女性がそう言って、笑顔で頭を下げる。 「ティアナ・ランスターと申します」 オレンジ髪の女性は、凛とした表情で軍人調に頭を下げる。 「で、こちらは私のお兄ちゃん」 「高町恭也と言います」 恭也は、店の手伝いで培った丁重な仕草で頭を下げた。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/171.html
魔法少女リリカルなのはForceNEXT Design05
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/163.html
CHARACTER PROFILE5 ヴェイロン(Veyron) 暴力と強さを信条とする強力にして凶暴な戦士 都筑真紀 悪キャラなりのヒーローっぽく、というようなお願いをしたような記憶があります。脚本上ではヴェイ兄はとても書きやすい人です。 緋賀ゆかり 今までの「なのは」キャラにはいなかったタイプ。自分としても描かなかったタイプのキャラで、やっと描き慣れてきた。 原案ラフから等身を上げたので。パーツのディテールなど腰まわりがけっこう変わりました。 CHARACTER PROFILE6 サイファー(Cypha) 剣の道に生きるフッケバイン最強の剣士 都筑真紀 クール系で剣士系ということで、シグナムとキャラがかぶりやすかったりですが、 緋賀先生の手ににかかればこれこのとおり。なにげに身内にやさしいお姉さんだったりします。 緋賀ゆかり 全体的なイメージは都筑先生からの原案ラフどおりですが、髪は動いたときに動きがわかりやすく見えるように バリバリしている感じに、出るところは出したりして(笑)、自分なりにふくらませました。 CHARACTER PROFILE7 フォルティス(Fortis) フッケバインの参謀格を務める頭脳派のイケメン 都筑真紀 説明役とさりげない嘘に定評のあるヤングメンです。原案時に眼鏡かけさせようと思ってやめた記憶が。 メンバーとしての役割や能力が明らかになるのはまだこれから。 緋賀ゆかり キャラデザイン先行の他メンバーに対して、シナリオをいただいた後だったのでイメージはしやすかったです。 いろいろ説明してくれる唯一の存在で、フッケバインを知るうえで“入口”になるキャラでは。 CHARACTER PROFILE8 アルナージ(Arnage) 隠密行動が専門の陽気なムードメーカー 都筑真紀 「海賊一家の陽気な子」的なイメージでした。 ちなみにトーマたちの捕獲で使ったロープはディバイダーやそのパーツではなく、単なるアイテムです。 ディバイダーは別のが。 緋賀ゆかり 本当に描きやすいキャラクター。ファッションは案外、細かいところでオシャレです。 サイファーを助けるシーンがあるように、男勝りだけど細かいところに気を遣う女の子なんだな、と思っています。
https://w.atwiki.jp/nanoha_data/pages/30.html
トーマ・アヴェニール シグナム ヴェイロン トーマ・アヴェニール アンロック(Record01) プロテクション(Record01) ディバイド・ゼロ(Record01) シルバーバレット(Record04) シルバーハンマー(Record04) ディバイド・ゼロ『エクリプス』(Record10) シルバースターズ『ハンドレッドミリオン』(Record11) シグナム シュランゲバイセン(Record06) 紫電一閃(Record06) ヴェイロン バードショット・シェル(Record04) フレシェット・シェル(Record04) ナパームファング(Record04)
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1103.html
「なのはさんのお兄様だけあって、やっぱり格好いいですね~」 あいさつが済むと同時に、スバルは目をキラキラと輝かせ、ブリッコのポーズを取りながら言った。 「ちょ、ちょっとスバル! いきなり馴れ馴れしくするんじゃないわよ!!」 ティアナに怒鳴られるが、スバルはしゅんとした表情で人差し指同士を合わせながら反論する。 「でも、本当にそう思うんだもん」 「ははは、どうもありがとう」 恭也は笑顔で二人に言うのと同時に、店の入り口から恭也と同じ翠屋のエプロンをつけた、半袖の Yシャツに作業用ズボンと運動靴というシンプルな服装の、四十代前半の男性が出てきた。 「おい、いつまで―――おお、なのはか」 男性はなのはたちの姿を見ると、顔をほころばせる。 「あ、父さん」 「お父さん、忙しいところをごめん」 なのはの父で、翠屋の店長である高町士郎に、アリサとすずかは「今晩は」と挨拶する。 「ええと君たちは、確かなのはの教え子で…ティアナさんとスバルさんだったね」 士郎そう言って挨拶すると、スバルは「はい、そうです」と、ティアナは「覚えていただいて、恐縮 です」と言って挨拶を返す、士郎はしばらく考え込んだ後、なのはに言った。 「なのは、皆さんを家に連れてってくれ。夕食は、みんなで揃ったときにしよう」 「うん、分かった」 「あ、あの…お寛ぎのところを邪魔しては――」 ティアナがそう言いかけた時、士郎はそれをにこやかに遮った。 「いえいえ、娘の部下の方々でしたら、私の家族も同然ですよ。どうぞご遠慮なさらずに」 「あ、ありがとうございます」 ティアナは、多少緊張気味に士郎へ礼を言った。 数時間後、高町家居間の食卓には和洋様々な種類の豪華な料理が並び、部屋全体にいい香りが漂っていた。 「うわぁ~、おいしそう~」 「すごい…」 スバルとティアナは、ミッドチルダでも当たり前に食べられているものから生まれて初めて目にする料理 まで、技巧を凝らした様々なご馳走の数々に目を輝かせ、息を呑んだ。 「さぁ、召し上がれ」 士郎の左隣に座っている、幾何学模様のワンピースという服装と綺麗な顔のため、士郎と同年代とは思え ないほど若々しいなのはの母、高町桃子がにこやかにスバルたちへ言った。 「では、お言葉に甘えて…」 「いただきま~す」 ティアナは桃子に丁寧に礼を言い、スバルは、手を合わせながら快活に言って箸を取り上げた。 スバルたちがおいしそうに食べ始めたのを契機に、高町家の面々となのはの友人達も食事を始める。 しばらくの間、居間の全員は食事に集中して、会話が途切れる。 全員程よく胃が満たされ、落ち着いて来た時、桃子がスバルたちに尋ねた。 「スバルさんとティアナさんは、なのはの教え子なんですってね」 その質問に、ティアナが答える。 「はい、機動六課に所属していたとき、教導官として色々と教えていただきました」 「その時のなのはって、あなたたちから見てどう?」 「そうですね…」 ティアナは、フォークを置いて天井に頭を向けながら考えてから、答えた。 「厳しいですけど、基礎から順序立って教えてくれる、分かりやすい教導をしてくれる方…って感じです」 「あはは。ティアらしくていい答えだね」 スバルはそう言って笑いかけると、ティアナは顔を赤くして顔を伏せる。 「スバルさん、あなたはどう思った?」 桃子が尋ねると、スバルは真剣な表情で桃子を見つめながら答えた。 「私は…、初めて会った時からずっと憧れの方です」 スバルは、ここで昔を思い返すような、遠い目をしながら話を続ける。 「小さい時、私はなのはさんに助けて頂いて、その時に自分の力の無さを実感して、なのはさんみたいな 強い人になりたいって心の底から思って、それからずっと…今もなお追いかけてますけど、まだ遥か先の… 雲の上の人、そんな感じですね」 「スバル、それ持ち上げすぎ」 なのはは、顔を赤くして恥ずかしそうに言うと、桃子は微笑みながら娘を見つめた。 「あら、いいじゃないの。娘が人の尊敬を得られるほど立派になるなんて、母親としてこれほど嬉しい事 はないわ」 士郎も笑いながら頷く。 「そうだな。ちょっと前までは小さな子だと思ってたけど、それがあっという間に教官として人に尊敬される までになってるなんて、そうそうある事じゃないぞ」 「多分、我が家で一番の出世頭じゃないかしらね?」 ベージュのブリッジシャツにローライズスキニーデニムパンツという服装の、金縁の眼鏡が知的な雰囲気を 醸し出しているなのはの姉、高町美由希が箸できんぴらごぼうをつまみ取りながら言った。 「ああ、俺も美由希もそんな立場までは行ってないし、稼ぎも我が家で一番じゃないか?」 恭也が自分の境遇を憂えるように、腕を組んで難しい表情をしながら言うと、桃子は恭也の頭に手を伸ばし、 優しく撫でながら答えた。 「いえいえ、恭也も美由希も立派にがんばってますよ」 頭を撫でられている恭也は、恥ずかしそうに顔をしかめて、母親の手から逃れる。 「ちょちょっと母さん、もう子供じゃないんだから」 突然、それまで黙ってサラダを食べていたヴィヴォオが、士郎と桃子に振り向いた。 「士郎おじさんに桃子おばさんも偉いと思うよ、だって二人が居たから、ヴィヴィオはなのはママと出会えた んだもん」 「ありがとうね、ヴィヴィオ」 桃子はヴィヴィオの頭を撫で、士郎は張り切って腕まくりしながら宣言する。 「ようし、ヴィヴィオの為に今まで一番おいしいキャラメルミルクを作ってあげよう」 士郎の言葉に、ヴィヴィオも満面の笑みで返した。 「ありがとう、士郎おじさん」 「いやぁ~、実に幸せなそうな事で…」 「私たち、お邪魔だったかも…」 アリサとすずかが、気まずそうに縮こまっているのを見たなのはは、慌てて二人を宥めに入った。 「アリサちゃん・すずかちゃん、そんな事無いから」 食事が終わると、スバルは庭で恭也とシューティングアーツの手合わせを始め、ティアナは、アリサたちと ミッドチルダと地球の文化について色々話を始める。 士郎と桃子は、ヴィヴィオのキャラメルミルク作りのために台所へ行き、ヴィヴィオも二人について行く。 そしてなのはは、コーヒーの入ったカップを手に、縁側でスバルと恭也の手合わせを眺めながら、美由希と 雑談に興じていた。 「…なのはが、初めてヴィヴィオを連れてきた時は、上へ下への大騒ぎだったわね」 美由希がからかう様に言うと、なのはは苦笑しながら答え。、 「うん。管理局に入ってからの事を、総て話した時もかなりの騒ぎだったけど、あの時はそれ以上だった」 「でも、今じゃ一緒に飲み物作ったりするぐらい仲がいいんだから、良かったんじゃない?」 「うん。多分ヴィヴィオがいい子だったから、お父さんもお母さんも打ち解けられたと思う」 そう言って二人は台所の方に目を向ける。 台所からは、キャラメルミルクのいい香りと、楽しそうに話すヴィヴォオたちの声が聞こえてきた。 「で、クラナガンの方はどうなの? リンディさんから、分離主義勢力についてちょっとは話を聞いてるけど」 なのはは、顎に手を当てて考え込みながら話し始めた。 「最近、情勢が不穏になってきてる。魔術を使える人たちと、そうでない人たちの対立が段々悪化してきてて、 街中でデモが暴動になるなんて事が結構多くなってて…」 「そうなんだ」 「私も、時々暴動の鎮圧に呼ばれる事があるんだけど、正直言って気が乗らない」 そう言った時のなのはの表情に陰りが見えたのを、美由希は見逃さなかった。 「どうして?」 「それだけ今の状況を不満に思う人が沢山居るって事でもあるから」 なのははそこで一旦言葉を切って、空に目を向ける。 「ミッドチルダって、魔法以外の技術に対して本当に冷淡なの。魔術の技能を持たない人たちって選挙権がないし、 就職に関しても色々と制約があるから、彼らが怒るのも当然だって思う」 コーヒーを飲んで一息つけてから、再び話し始めた。 「暴力行為は悪い事だけど、ほとんどの人たちは自分の生活をより良いものにしたくて、間違っていると感じている 事を変えたいから、そうやって抗議している…そんな人たちの思いまで、一時の過ちとして片付けているような気が するの」 美由希は、なのはの肩に手を置いて言った。 「なのはは優しいね。昔、ユーノを拾ってきた時もそんな風に一生懸命だった」 振り向いたなのはを真正面から見つめながら、美由希は話を続ける。 「なのはがそう思うなら、同じように感じている人は他にも居ると思う。魔法の力を持たないけど、懸命に世の中の ために頑張っている人たちに正しく報われるようにしたいって思っている人が」 美由希はそこで言葉を切り、手合わせを終え、庭石に相対して座りながら話をしている、スバルと恭也の方に目を 向けながら話を再開した。 「その人たちと一緒になって、より良い方向に解決できるよう頑張るといいと思うよ。今のなのはならそれが出来る、 それはお姉ちゃんが保証する」 「そうだね。ありがとう、お姉ちゃん」 なのはは小さく微笑んで、空になったコーヒーカップを見つめる。 「ちょっと、新しいコーヒー入れてくるね」 そう言って立ち上がったなのはに、美由希は笑って手を振った。 台所で両親達と話をしながら新しいコーヒーを淹れ、居間に戻ろうと廊下に出た時、首に下げてあるレイジングハートが 点滅を始めた。 「どうしたの、レイジングハート?」 「マスター、八神はやて様から個人向け秘匿通信が入っております」 「はやてちゃんから!?」 なのはは急いで自分の部屋に行き、空間ウィンドウを開く。 「はやてちゃん、どうしたの?」 モニターに映るはやては、緊迫した表情で話を始めた。 「なのはちゃん、お休み中のところ申し訳ないんやけど、こっちでえらい事が起きてな」 「何?」 はやての話を聞いたなのはの表情が凍りつき、コーヒーカップを床に取り落としてしまう。 カップからコーヒーが溢れ、カーペットに黒い染みを作る。 「フェイトちゃんが…」 なのはは、呆然とした表情で呟いた。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 メニュー なのは世界年表 魔法少女リリカルなのは 魔法辞典 魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1stパンフレット 用語集 魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1stパンフレット キャラクター紹介 魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st 魔法辞典 魔法少女リリカルなのは・魔法少女リリカルなのはA sビジュアルファンブック 魔法少女リリカルなのは A s魔法辞典 魔法少女リリカルなのはA sPORTABLE THE BATTLE OF ACES ビジュアルアーカイブブック 魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 2ndA sパンフレット 用語集 魔法少女リリカルなのはStrikerS 魔法辞典 魔法少女リリカルなのはStrikerS クロニクル 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導事典 魔法戦記リリカルなのはForceNEXT 魔法少女リリカルなのはViVid 登場人物 魔法少女リリカルなのはViVid ストーリー 魔法少女リリカルなのはViVid キャラクター リンク @wiki @wikiご利用ガイド 更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1208.html
「主はやてから、ある程度話は聞いていたが、状況は相当酷いようだな」 シグナムが深刻な表情で言いながらなのはの方を振り向くと、なのはは暗い表情で 膝の上に置いた手を見つめていた。 「フェイトちゃん…」 突然、ヴィータがなのはの前にやって来て、彼女の顔に両手を当てて自分の方を振り 向かせて大声で言った。 「テスタロッサは大丈夫だ、そうだろ!? なのは!!」 周囲の人間が、驚いて振り向くのも構わぬヴィータの剣幕とその真摯な視線に、なのは は眼を見開いてヴィータを見つめる。 続いて、シグナムが励ますように笑顔で言った。 「なのは、テスタロッサはかつて、お前のスターライトブレイカーの直撃にすら耐えた のだろう? ならば、前線基地一つが壊滅する程度の攻撃では死なんよ」 「シグナム。それ、フォローになってねーんじゃ…?」 ヴィータが白けた表情で言うと、シグナムは鼻白んで天井を見上げながら言った。 「む…そ、そうだな…」 なのはは首を横に振り、微笑みながら言う。 「ううん、今まで色々と大変な事はあったけど、私もフェイトちゃんも――」 なのははそこで一旦言葉を切り、二人の肩に手を置いて、再び話し始める。 「そして、みんなの力でそれを乗り越えていったんだよね。 ありがとう。ヴィータちゃん、シグナムさん」 なのはが多少ながらも力を取り戻したのを見て、シグナムとヴィータは互いに顔を 見合わせ、笑みを浮かべた。 実用性に優れた、質素な家具が並ぶ広い洋間。 部屋の中央部にはテーブルがあり、そこには二つの高級ソファーが向き合う形で配置 され、一方には恭也・美由希とヴィヴィオが座っている。 反対側に座るのは、コバルトブルー一色に統一されたパスリーブクレリックシャツと ロングスカートの、桃子と同年代で、オパールグリーンの髪に額に紋章の入った女性。 ボストンレッドソックスTシャツに迷彩色のハーフパンツを穿いた、犬耳と尻尾を 生やしたオレンジ髪の少女。 ロボットのおもちゃで遊ぶ二人の子供をあやす、黒の半袖ポロシャツに白のカジュアル パンツの、二十代前半の栗色のショートヘアーの女性。 彼女たちは、窓際に表示されている空間モニターを真剣な表情で見つめていた。 「現在のところ、基地及びその周辺で生存者が確認されたという情報は、残念ながら 入っておりません」 モニターには、演壇に立ったゲラー長官が、フラッシュを浴びながら記者や視聴者に 向けて語りかけている。 「しかし、政府は、生存者の捜索と救出に全力を尽くすべく、次元航行部隊を当該 世界へ向けて緊急派遣し、事件についても、現在総力を挙げて調査中です。 この残忍かつ一方的な攻撃の重大性、攻撃の規模と、推定される犠牲者数の多さを 鑑みて、元老院は時空管理局統合幕僚会議の諮問に同意し、管理内外世界総ての部隊に DEFCON3体制を発令。最高レベルの防衛準備体制に移行しております」 「なのは達が慌てて帰っていったのは、このためか」 恭也は、モニターを見ながら呟く。 「ごめんなさいね、久しぶりのなのはちゃん達との再会に水を差すような事になって」 ティーカップを持った、オパールグリーン髪の女性が申し訳なさそうに言うと、美由希 が首を横に振って答える。 「リンディさんが謝る事はありませんよ。むしろ、娘さんが行方不明ですごく心配でしょう」 リンディ・ハラオウン次元部局執務統括官は、硬い表情でカップのお茶を少し飲んでから、 小さく言う。 「そうね。血の繋がりはなくても、大切な娘だから…」 「フェイト…」 リンディの隣に座る、オレンジ髪の少女が不安げな表情でモニターを見つめながら 言うと、栗髪の女性が少女に問いかけてきた。 「アルフ、フェイトちゃんの気配とか何か感じない?」 エイミィ・ハラオウンの言葉に、フェイトの使い魔アルフは、目を閉じて意識を 集中する。 「ダメ、世界が違うから何も」 アルフはしばらくして目を開き、体の力を抜いて天井を仰ぎながら言った。 「でも、フェイトが助からなかった場合、契約が消滅して…魔力供給に影響も出る はずだから…」 アルフから続いて出た言葉に、リンディは期待を抑えきれない口調で言った。 「じゃあ、フェイトはまだ…」 「確証はないけど、生きてるとは思う」 アルフの言葉に、リンディにエイミィとヴィヴィオの表情が少し明るくなり、恭也 と美由希は顔を見合わせて頷いた。 「フェイトママ…今、どうしてるんだろう……?」 ヴィヴィオは、遠い世界で必死に生き残ろうと戦っている、もう一人の母親を憂え ながらぽつりと呟いた。 前へ 目次へ 次へ